臨時復旧ver.
皆さん、こんにちは。ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサーです。
4号機時代のパチスロでは、ストップボタンを押さずに待つと、一定時間後にリールが自動で停止する機種が一般的でした。ボーナスを自動で揃えたり、リーチ目を見守ったり、ビタ押しの代わりに使ったりと、通称「空回し」は遊びや攻略にも使われていました。
現在、このような自動停止を搭載した機種はほとんど見かけません。自動停止に関する遊技機規則は4号機時代から基本的に変わっておらず、現在も搭載可能なのに…です。実際、ジャグラーシリーズの一部機種など、現行機にもこの機能は残っています。
規則上は今も可能な自動停止が、なぜ大半のパチスロから姿を消したのでしょうか?
遊技機規則の「性能に関する規格」には、次のように定められています。
(ヘ)回胴の回転は、回転停止装置を作動させる場合を除き、すべての回胴の回転の速さが一定となつた後、30秒以内に停止するものでないこと。
回転停止装置とはストップボタンのことです。つまり、ストップボタンを押していない状態で、リールが30秒以内に自動停止する仕様は認められていません。逆にいえば、30秒を超えた後の自動停止は禁止されていないのです。
4号機時代は、自動停止でも停止位置が合えばボーナスや小役が入賞しました。しかし、5号機以降は遊技者がストップボタンを操作せずに停止した場合、成立役を入賞させない仕様が求められるようになりました。リプレイすらも取りこぼします。
重要なのは遊技機規則そのものではなく、5号機から「解釈基準」が変更されたことです。遊技者の停止操作を経ずに成立役を入賞させることが、目押しなどの技術介入を機械が補助する性能に当たると解釈されたのです。
その結果、自動停止は待つだけで損をする機能となり、多くの機種が搭載しなくなりました。
一方、この「自動停止では成立役を取りこぼす」という性質を、ゲーム性へ利用した機種も存在します。例えば、2006年に登場した5号機『キューティーハニー』です。

本機は、特定小役が入賞するとRTが終了(パンク)する仕様でした。そこでリールを空回しさせ、自動停止によって小役を意図的に取りこぼすことで、RT終了を回避できたのです。
通常なら不利な仕様を攻略要素へ変えた「逆転の発想」です。ただし、そのたびに自動停止まで30秒以上待つ必要があり、遊技テンポが良いとはいえません。この仕組みが広く定着することはありませんでした。
4号機時代には遊びや攻略にも使われていた空回しですが、現在ではその役割が大きく変わっています。
現行機の多くは、ストップボタンを押すまでリールが回り続けます。そのため、ごく一部では離席中であることを示したり、マイスロなどの遊技データやカスタムを守ったりする目的で、リールを回したまま席を離れるケースがあります。
機種によっては、リール停止後に一定時間操作がないとカスタムが初期状態へ戻るため、その回避策として使われる場合もあるようです。
作り手の視点では、長時間リールが回り続ける状態は、想定された通常の遊技進行から外れています。リールモーターや駆動部に不要な負荷がかかり、長時間または繰り返し行われれば、ハードウェアの故障につながる要因にもなり得ます。
そのため、一定時間が経過すると液晶や音声、筐体ランプでリールの停止を促す設計となっています。

ただし、その報知は周囲にも届くため、近くの遊技者に不快感を与える場合があります。
こうした点を踏まえると、離席中の自衛手段として長時間空回しを行うことは、望ましい使い方とはいえません。台確保や遊技データ、カスタムの保護は空回しに頼るのではなく、店舗の離席札や、メーカー側のデータ保護・離席表示など、別の仕組みで解決するのが自然だと考えています。
成立役を取りこぼす現在の仕様は、遊技機規則そのものではなく解釈基準によるものです。そのため、解釈基準が見直されれば、6号機規則のままでも自動停止を使った新しい遊びが生まれる余地はあります。
ただし、4号機時代のようにボーナスを自動で揃えたり、ビタ押しを代行したりする仕様は、技術介入を機械が補助するため、そのまま認められる可能性は低いでしょう。
一方で、リプレイや目押しを必要としない小役については、自動停止でもそのまま揃ってよいとする解釈変更は考えられます。すべての成立役を一律に取りこぼす現在の解釈を見直すだけでも、自動停止をゲーム性へ活用できる余地は広がるのではないでしょうか。
自動停止の将来性は、離席中の自衛手段として使うことではありません。かつての遊びをそのまま復活させるのでもなく、現在のルールと遊技環境に合わせてどう再設計するのか。そこに、6号機における自動停止の新たな可能性があると考えます。