臨時復旧ver.
皆さん、こんにちは。ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサーです。
前回は、RTの仕組みについて解説しました。RTとは、規則で認められた契機によってリプレイ確率が切り替わる仕組みです。今回は、その土台となる「再遊技」、つまりリプレイの歴史を見ていきます。
今では当たり前のように存在するリプレイ。しかし、かつてのパチスロには搭載されていませんでした。3号機時代までのパチスロは、1ゲーム遊技するたびにメダルを投入するのが基本だったのです。そこに大きな変化をもたらしたのが、4号機規則で認められた再遊技です。
遊技機規則の「回胴式遊技機に係る用語の意味」では、再遊技について次のように説明されています。
「再遊技」とは、遊技メダル等の投入をすることによらずに行うことができる遊技をいう。
つまり、メダルを新たに投入しなくても、次のゲームを遊技できる仕組み。これがリプレイです。今では、パチスロに最初からある基本機能のように感じられているのではないでしょうか。
リプレイは出玉性能を上げるための新機能というより、メダル消費を緩やかにし、射幸性を抑えるためのブレーキとして導入された側面がありました。
ところが、このリプレイは単なるメダル節約役では終わりません。
4号機初期にはリプレイ図柄を使ったリーチ目や、リプレイテンパイハズレを熱く見せる出目も生まれ、リール制御の幅を広げる存在になっていきました。
4号機時代のリプレイを語るうえで欠かせないのが「リプレイハズシ」です。これは、プレイヤーの技量によって獲得枚数に差が出る、強烈な攻略要素でした。
4号機のBIG中には、小役ゲーム中にリプレイ図柄が揃うことでJACインする仕組みの機種が多く存在しました。このとき、あえてリプレイ図柄を揃えずJACインを遅らせることで、小役ゲームを長く消化し、獲得枚数を増やす打ち方が生まれました。これが、いわゆる「リプレイハズシ」です。
正確に言えば、リプレイ(=再遊技)そのものをハズしているというより、JACインを遅らせる技術です。ただし、当時のJACインがリプレイ図柄揃いを起点にしていたため、「リプレイハズシ」という呼び名が定着しました。
ちなみに、この「リプレイハズシ」という呼び名を考えるうえで面白いのが、4号機『ハナビ』のリメイク機である6号機の『スマスロ ハナビ』です。

本機の花火チャレンジ中に行うリプレイハズシは、4号機時代のようにJACインを遅らせるものではなく、実際に特定のリプレイ入賞を回避してRTを継続させる技術。厳密に言えば、リメイク版のほうが、言葉どおりの「リプレイハズシ」に近い仕様なのです。
さらに4号機中期になると、リプレイの役割はもう一段進化します。それがRT、リプレイタイムです。
RTとは、一定条件下でリプレイ確率が変動する状態のことです。たとえばボーナス終了後にリプレイが揃いやすい状態へ移行し、メダルをあまり減らさずに次のチャンスを待てる。パチンコの時短に近いゲーム性を生みました。代表的な機種としては、岡崎産業の『ニュートラッド1』が挙げられます。

そして4号機末期には、RTやリプレイ制御の考え方を応用したストック機が登場します。
ストック機とは、ボーナスが成立してもすぐには揃えられず、内部的に貯めておき、特定のタイミングで放出するタイプの機種です。『吉宗』の711枚BIGが1G連するような仕様は、まさに4号機末期の射幸性を象徴する存在でした。『北斗の拳』や『キングパルサー』なども、この時代のストック機文化の中で生まれた機種です。

リプレイは、最初はメダル消費を抑えるために導入された再遊技でした。しかし、実際にはリーチ目、リプレイハズシ、RT、ストック機…と、4号機時代を通じてパチスロのゲーム性を大きく広げていきました。一方で、ストック機による高い射幸性は問題視され、5号機ではその仕組みが大きく制限されることになります。
ただ、リプレイの役割がそこで終わったわけではありません。むしろ5号機では、前回解説したRTの仕組みが押し順ナビと結びつくことで、ART機へと発展していきます。
ここに、パチスロ開発の面白さがあります。本来は射幸性を抑えるためのブレーキとして導入された仕組みが、開発者の工夫によって、新しいゲーム性の中心になっていったのです。
これは、5号機末期に導入された有利区間にも少し似ています。有利区間も当初は射幸性を抑えるための仕組みでしたが、6号機時代には新しいゲーム性を生み出す土台にもなっています。
リプレイは規制から生まれながら、時代ごとに形を変え、パチスロのゲーム性を進化させてきた存在なのです。