臨時復旧ver.
皆さん、こんにちは。ジェイさん@発信する遊技機ブランドプロデューサーです。
SNSや新台情報を見ていて、「このメーカーって、どこ?」と思ったことはありませんか?
最近出た新台を見ても、『南国育ち SPECIAL』はアムテックス、『ワールドダイスター』はパオン・ディーピー、『パチスロ見える子ちゃん』はピーセカンド。パチスロを長く打っている人でも、これらの会社名だけを見て、どこのメーカーなのかすぐに分かる人は少ないかもしれません。
しかし実は、いずれもよく知られた大手メーカーのグループ会社です。アムテックスは平和・オリンピアグループ、パオン・ディーピーは大都技研グループ、ピーセカンドは『ハナハナ』シリーズでおなじみのパイオニアグループ。つまり、「知らないメーカーの新台だと思っていたら、実はよく知っているメーカーのグループ会社だった」ということがあるのです。
今回は、ちょっと分かりづらいメーカーの会社名について、開発者目線で紐解いてみたいと思います。
さらにややこしい例があります。2026年8月に導入された『すーぱぁびん娘』です。

この機種について新台情報を調べると、「ベルコ」と紹介されているサイトもあれば、「ヤーマ」と書かれているところもあります。同じ機種なのに、なぜメーカー名が違うのでしょうか?
実はこれ、どちらかが間違っているという話ではありません。『すーぱぁびん娘』の製造業者はヤーマで、そのヤーマが属しているのがベルコグループなのです。
そのため、製造業者として「ヤーマ」と表記するケースもあれば、ユーザーに馴染みのあるメーカー・ブランドとして「ベルコ」と紹介されるケースもあります。パチスロの新台情報で見る「メーカー名」は、必ずしも同じ基準で表記されているわけではないということです。
実は、このようなグループ関係を誰でも確認できる公式資料があります。
それが日電協(日本電動式遊技機工業協同組合)のホームページです。こちらには「グループ会社一覧表」が公開されており、どの遊技機製造業者がどのグループに属しているのかを確認することができます。

こうして見ると、「え、この会社とこの会社って同じグループだったの?」という発見もあるのではないでしょうか。
では、なぜ一つのメーカーグループに、複数の遊技機製造業者が存在するのでしょうか。
会社ごとに設立の経緯や役割は異なりますが、パチスロ開発の実務上、大きなメリットになるのが「型式試験」です。
パチスロをホールに導入するには、保通協などの指定試験機関で型式試験を受け、適合する必要があります。ただし、試験は受けたいときにすぐ持ち込めるわけではありません。まず予約抽せんを通過する必要があります。
保通協の資料では、2026年9月2日時点の回胴式遊技機の型式試験申請抽せん申込件数は102件。通常の予約は1日5枠で、増枠されることもありますが、かなりの狭き門です。しかも、同じメーカーが同じ型式を同じ日に重ねて申し込むことはできません。
ここでグループ内に複数の製造業者を持つことが強みになります。別の名義であれば、同じ型式をそれぞれ申し込めるからです。
たとえるなら、人気ライブのチケット抽せんで、家族それぞれが応募できるようなものです。複数の製造業者を活用できれば、それだけ開発・申請スケジュールの選択肢を広げられます。
もちろん、型式試験のためだけに別会社が存在しているわけではありません。ただ、複数の製造業者を持つことが、新機種を計画どおり市場へ送り出すうえで大きなメリットになるのは確かです。
普段、新台を見るときは機種名やスペックに目が行きがちですが、メーカー名にも意外な情報が隠れています。
聞き慣れない会社名でも、調べてみると大手メーカーグループの一社だった、というケースは珍しくありません。さらに、その背景には型式試験や開発スケジュールといった、ユーザーからは見えにくいメーカー側の事情もあります。
次に新台情報を見るときは、ぜひメーカー名にも注目してみてください。
「この会社、どこのグループだろう?」
そう思った瞬間から、メーカー名も新台を見る材料のひとつになります。